方法論
MoonAlibiは「満月のせい」と言われる事象を公開統計データで検証します。計算は厳密に、表示は1語に。このページでは、その1語がどう決まるかをすべて開示します。
ここで調べているのは、月の満ち欠け(月相)と、地震・出産・頭痛・犯罪などの出来事との相関です。ただし「満月の日に多かった」というだけでは、本当の相関とは言えません。季節・曜日・長期トレンドといった交絡が生む「見かけの相関」を取り除き、満月の日と平常日の差が偶然の範囲を超えるかどうかで判定します。月と出来事のあいだに統計的な相関が残るのは、ごく一部だけです。
「満月の日」の定義
- 月齢は連続値で扱います。各イベントについて「直近の満月(朔望の瞬間、UTC)からの経過時間」を基準にします
- 「満月の日」= 満月の瞬間±24時間(計48時間の窓)。新月も同様です
- 朔望の瞬間は Jean Meeus "Astronomical Algorithms" 第49章のアルゴリズムで自前計算しています(外部APIに依存しません)
- 天文計算はすべてUTCで行い、表示のみ各言語の慣習に合わせます
過去の有名な「満月効果」研究のいくつかは、「満月の日」の定義が曖昧なことが批判されてきました。窓の幅を恣意的に動かせば結論はいくらでも変わります。そのため本サイトは定義を固定し、ここに明記しています。
判定の基準
1. 対象データについて、月齢と無関係に一様だと仮定した場合の期待値を求めます(件数なら期待件数、気温のような連続量なら基準となる平均) 2. 観測値と期待値のズレ(件数なら観測/期待の比、連続量なら差)について95%信頼区間を計算します 3. 信頼区間が「差なし」(比なら1.00、偏差なら0)を含む場合、判定は「差は見られない」です。ただし、データが少なく信頼区間が広すぎて、意味のある大きさの効果すら検出できない場合は「判定保留」とし、「差は見られない」とは言いません 4. 信頼区間が「差なし」を含まない場合は効果量で段階分けします。指標に応じた閾値(比なら±3%・±10%、気温なら±0.3°C・±1.0°Cなど)で、小さい順に「ほぼ関係なし」「やや多い/少ない(高い/低い)」「多い/少ない(高い/低い)」と表示します
「差は見られない」は「差が存在しないことの証明」ではなく、観測の報告です。統計的検定は差の不在を証明できないため、断言を避けるこの表現を採用しています。
信頼区間や効果量の数値そのものをページに並べないのは意図的な設計です(降水確率が内部モデルの数値を見せないのと同じ理由です)。基準はこのページで固定・公開し、恣意的な運用をしないことで透明性を担保します。
トピックごとの調整
データの性質に応じて、期待値の取り方と前処理を変えます。
- 人間活動のデータ(事故・出生・検索・ニュースなど)は曜日・季節・祝日の強いパターンを持つため、「同じ条件(曜日や月)」の平均を期待値とし、交絡を除いた指数で比較します
- 自然現象のデータ(地震・気象など)は人間のカレンダーに従わないため曜日調整は不要です。代わりに現象に応じた前処理を行います(例: 地震は余震の除去とマグニチュード下限、気温は月別平均からの偏差)
- 連続量(気温・風速・為替の変動など)は件数ではないため、比ではなく差や変化率といった指標に応じた信頼区間で判定します
各トピック固有の処理は、それぞれのトピックページに明記しています。
再現性
- 生成プログラムは毎日同じ手順で全判定を再計算します
- 同じ入力データからは常に同じ出力が生成されます(冪等)
- 判定ラベルが変化した場合は運営者に通知され、計算の妥当性を確認します
データ出典
- 月齢・朔望の瞬間: Jean Meeus "Astronomical Algorithms" に基づく自前計算(UTC基準、外部APIに依存しません)。これは全トピック共通の基盤です
- 各統計データの出典: USGS(地震)、警察庁・NHTSA(事故)、ERA5/Copernicus C3S(気象)、GDELT(ニュース)など、トピックごとに異なります。具体的な出典・期間・ライセンスは、それぞれのトピックページの末尾に明記しています